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一歩前進したかも日記 猪突猛進ではなく撤退の道を行きます~ アフィリエイトの記事もあります

純情きらり 埴生の宿はかなし

さすがに今日はうるさい子ども達も
シーンと静まってテレビ画面を見ておりました。

かねが思いっきり生気たっぷりで
息を引き取る寸前まで「しゃべりすぎたわ」と言いつつ
まだしゃべり続けるそのど根性にたじたじ。
でも、かねなら、そう、あの松井かねならそういう最期でも許せる。

達彦は元気で自由な桜子が好き。
ちゃんとわかってらっしゃったかねさん。
「達彦がいたら言うことを、私が代わりに言ってあげる」と
桜子は店を出て、好きなことをするように、
達彦を待つだけの人生ではいけないと遺言をするかね。

桜子は、達彦を待ちたい気持ちと
かねの言うように達彦はもう逝ってしまったのかもという気持ちと
これから先は死ぬよりつらい葛藤をかかえて生きていかなければならない。
それを察して、未来のある若い桜子を
そんなことで縛ってはいけない、というかねの思い。
もちろん、背後に達彦への思いがあるからこそなのだが
それでも、晩年に心通わせ合うことのできる人、桜子と出会えて
かねの厳しい人生も、ほんの少しゆったりできたのではないだろうか。

勇ちゃんのところ、感想をはしょってしまったが
彼が一番気楽に、そして心を許せる相手は桜子なのだろう。
まだ少年時代、斉藤先生と桜子のことを
暖かく見守ってくれていたのも勇太郎だった。

入営の前に実家に戻った勇太郎。
姉の桜子に会いたくて「ただいま」と言っても返事のない家。
中に入ってもしいんとしている。
この場面が、やけに印象的だった。
その後の台風やらなにやらが慌ただしかっただけに
この時のぽつんとした勇太郎の気持ちが、宙に浮かんだように
心に残っている。

このドラマは、全体はつぎはぎだらけで
なんだかよくわからないB級ドラマだけれど
(最初のうちは、かなりの名作を期待したのにね)
合間できらっと光るシーンが出てくる。

ほんとに、もう少し全体の流れを整理して、つなぎの部分を
じっくり丁寧に書き込めば、素晴らしい作品となったと思う。
脚本家とプロデューサーは長丁場のドラマに不慣れだったのかな。
by okaeri110 | 2006-08-16 14:26 | 純情きらり